原作「アフロ田中」

原作「アフロ田中」

映画「アフロ田中」の原作漫画である「アフロ田中シリーズ」は、のりつけ雅春による漫画です。2002年に開始した第1作「高校アフロ田中」から、「中退アフロ田中」・「上京アフロ田中」・「さすらいアフロ田中」とタイトルを変更しながら11年に亘って「ビッグコミックスピリッツ」にて連載が継続されました。男性なら誰もが経験したことのある様々な複雑な心境が田中の生活に溢れていて、多くの人に共感を呼び、高い人気を得ました。

漫画「アフロ田中シリーズ」について

この漫画は、アフロヘアーの男・田中をとりまく青年・成人向けギャグ漫画です。田中の状況に応じて、タイトルが「高校アフロ田中」→「中退アフロ田中」→「上京アフロ田中」→「さすらいアフロ田中」と変更されています。シリーズの全体を通してストーリーもこれといってなく、男からみた「女の人」についての話や恋の話、他には喧嘩の話や世間話などが描かれています。特にこの「女の人」の話は、女性にもてたい、セックスしたくてたまらないのにできないという田中とその仲間たちのリビドーや悲痛な叫び、苦悩が描かれています。「中退」の第1集、第5集、第6集には本編のパラレルワールドを描いた番外編として「りーまんアフロ田中」と「中学デビュー田中」が収録されています。「りーまんアフロ田中」ではサラリーマンとして働く田中と同棲中の恋人との間に繰り広げられる日常がコミカルに描かれています。

作者・のりつけ雅春

「アフロ田中シリーズ」の作者・のりつけ雅春(のりつけ まさはる)は、埼玉県出身の漫画家です。「リーマン戦記 独身3」などで知られるロドリゲス井之介のアシスタントを経て、第47回新人コミック大賞ヤング部門にて「中途退学物語」が入選し、2002年に「高校アフロ田中」にて漫画家デビューを果たしました。現在は「ビッグコミックスピリッツ」誌上で、「オケラのつばさ」を連載中です。

シリーズそれぞれのあらすじと特徴

高校アフロ田中

ある朝学校に行こうとした岡本は、学生服で巨大なアフロを頭に乗せた男が、自分の自転車のカギを壊そうとしているところに出くわします。男は無事に(?)鍵を壊し、それに乗って颯爽と去っていきますが、ギアが壊れていたために坂之上で止まってしまいます。追いついた岡本はマジバトルを繰り広げ、アフロ男を撃退。しかし、そのアフロは岡本のクラスに転向してきた田中という男だったのです。強烈なキャラクターを持ちながらも周囲に自然と溶け込んでしまう田中が、仲間たちと繰り広げるドタバタコメディーとなっています。物語は埼玉にある架空の町、立華町の立華高校が舞台になっています。立華町は、田中達がよく花崎駅を利用することから、埼玉県加須市がモデルになっていると思われます。

中退アフロ田中

ノープランで高校を中退した田中。晴れて自由人となった彼は毎日家でゴロゴロする生活を送っていました。しかし、とうとう母に「毎月3万家賃を入れなければ家を追い出す」と宣言されてしまいます。仕方なく肉体労働の仕事に就きますが、あえなく1ヶ月で退職、手元に残った給料18万円の使い道を考えた結果、15万円でプレハブ小屋を買い、実家の庭に憧れのマイホームを建てることにしたのでした。高校を中退した後の田中の生活を描いたこのシリーズは、前作とは違い女性キャラクターが固定化されていて、前作よりも女性との絡みが多いのが特徴となっています。

上京アフロ田中

埼玉の実家に暮らしながら運送業者に就職したものの、会社の社長の鶴の一声でなぜか上京することに。納得できないうちに新しい仕事も斡旋され、田中は東京の地下でトンネルを掘る毎日を送ることになりました。きっちり8時間肉体労働をし、疲れと汗を銭湯で流す。田中の東京生活は非常に健全なのですが・・・。上京編は、「中退アフロ田中」の連載終了時に「ビッグコミックスピリッツ」にて「田中の進路先」が募集され、作者や編集部がその結果を吟味し選んだ「上京」がテーマになっています。中退編に比べて下ネタが多いのが特徴で、田中の東京生活がメインなため、前作・前前作のメインキャラクターたちは脇役となっています。

さすらいアフロ田中

高校中退、上京を経て、現在は千葉で契約社員としてトンネルを掘っている田中。そんな田中にも遂にマキという彼女ができますが、彼女はワーキング・ホリデーでオーストラリアに旅立ってしまいます。田中は休暇を利用してはるばるオーストラリアまで彼女に会いにいきますが、そこで彼女の浮気現場を目撃し、大失恋してしまいます。嫌なことを全部忘れるため、田中はさすらいの旅にでるのでした。人生初のトラウマを得てしまった田中が新しい彼女を作ったり自分の人生を考えたりと悩みながらも気楽に生きていくさまを描いたシリーズ完結篇です。

原作オススメポイント

アフロ田中はシリーズを通してストーリーが無く、ダラダラと田中の生活が描かれているだけの漫画です。よく友人などに「アフロ田中面白いよ!」と勧めるのですが、「どういう話?」「どこがおもしろいの?」と聞かれても上手く答えられません。アフロヘアーの主人公が過ごす自堕落な生活を描いた作品と説明すると、「それ、本当に面白いの?」と不思議な顔をされてしまいます。ですが、アフロ田中は間違いなく面白いです!田中の周りに起こるハプニングや、彼の行動は一見突拍子もないことのように感じますが、女の人に対する憧れや、童貞であることの焦り、暇さえあれば考えてしまう妄想など、田中のアフロの中には誰もが共感できるものばかりが詰まっているのです。思わず感心してしまうほど、「人間」を細かく描いていて、処女を捨てた途端に男関係が派手になる女子や、二つ連なった山ですらおっぱいに見えてしまう男子など、こういう女の人いるよなーとか、こういう男子クラスにいたなーとしみじみ感じてしまうキャラクターが豊富に揃っています。間の取り方や、構成も絶妙で、登場人物にとっては笑えない状況なのに、それが可笑しくてたまらないと思わせてくれる演出になっていて、終始ニヤニヤしながら読んでしまう漫画です。あくまでも田中の日常なので、おんなじことの繰り返しのように感じるのですが、それでも不思議と飽きないのが「アフロ田中」の魅力だと思います。何回読んでも笑えて、ちょっと疲れた時でも元気を貰えるような、楽しい漫画です。かつて童貞だった疲れたサラリーマンの皆さんには、ぜひとも読んで欲しいなと思います。

上京したてのあなたへ